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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

 螺旋階段を上りきり、晃の部屋の鍵を開けた。
 ドアを開くと白と緑で統一された見慣れた部屋がある。奥にベッド、向かって左側に勉強机、右側に引き出しやクローゼット。真ん中にはカーペットとテーブル。

「綺麗じゃん」

 勉強道具や服など、日常的に使うものは宵のアパートに持っていってしまったので勉強机はあまりものがない。けれど、必要なくなった書類などは持ってきてファイルに入れてあるし、二年の時の教科書やノートなどもチラチラ見えた。すっきりと棚に収まり、整理整頓されている。

「もう、住んでないからね。生活感がないだけじゃない? ……埃も大丈夫そう。シーツだけ替える?」

 最後の質問から透かし見える意味に、宵の心臓がドクンと鳴った。
 茶色い瞳に間近から見つめられ、つい目を逸らしてしまう。
 前はよく晃の部屋でもしていたのに、たった二ヶ月ちょっと来ないというだけで、こんなに気分が違うのかと自分でも不思議に思う。

「……いいよ、別に。わざわざ替えなくたって」
「わかった。とりあえず何か飲み物とお菓子取ってくるから、適当にくつろいでて。ーー宵が期待してることは、そのあとでね」
「期待って……」

 言い返そうとした時には、すでに晃は部屋から出ていってしまっているのだった。
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