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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

「晃は意外とマメだからね。どんどんコキ使ってやって」
「はーい、遠慮なく」
「宵くんは元気? 志穂(おかあ)さんの体調は良好?」

 宵が晃の母に合うのは同居するので挨拶にきた時以来だったが、そのずっと前から面識はあった。
 宵の義母である志穂が入院していた時の担当看護師だったからだ。
 まさか晃の母だと知った時は驚いたが、不思議な縁もあるものだ。

「俺も志穂さんも元気っすよ。志穂さんは、最近ちょっと太ったかも」
「なら良かった」

 入院中の志穂は、痩せすぎなくらいにギスギスだった。
 宵の太ったは健康的な体型に近付いている、という意味だったが、それをちゃんと汲み取ってくれたらしい看護師は、微笑を浮かべた。
 それからテーブルの上のアイスティーとナッツに気付いたらしく、

「あら、もっと飲み物もお菓子もあるわよ。持ってくるから、ゆっくりしてってね」

 二人の返事も聞かず、バタバタと部屋を去っていく。

「……賑やかな人」

 晃はドアを閉めて、嘆息した。
 看護師で、晃に対して過保護なところがあって、少し早口でせっかち。
 宵から見た晃の母はそんなイメージだった。

「今日は仕事で良かったんだけどな」
「なんでだよ。いいじゃん別に、顔見せれた方が」
「……エッチできないじゃん」
「そんなんいーわ、帰ればいつでもできるだろ」
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