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Memory of Night 2
第13章 投影

 宵は心の内でつぶやいた。
 高一の時のバイト先は本当に居酒屋だったが、常にこんな慌ただしさだった記憶がある。
 ハプニングバーでは仕事のスピードよりもお客さんとの会話を求められているような節が強いから、この類いの忙しさは久々だった。
 フロアとキッチンを何度か往復していると、もう聞き飽きた声が真横から響いた。

「やあ、宵くん。会いたかったよ」
「いらっしゃいませ、土方さん」

 土方は今日も通常運行らしい。いつの間に来たのか最初から居たのか、ソファーに腰かけてカクテルを飲んでいた。

「いやあ、今日はずいぶんと忙しそ……」
「ええ、忙しいのでまた。どうぞごゆっくり」

 そのまま土方の席は素通りする。
 さすがに他の客にはもう少し気を遣うが、土方にはこれがデフォになりつつあった。

「今日も変わらず冷たいけど、なんだかこれはこれで癖に……」

 後ろで何か言っていたが、まともに取り合っている暇はなかった。
 そうこうしているうちに、時間はあっという間に過ぎていく。
 月曜日に引き続き、春加の姿はなかった。ショーに出演する張本人が欠席のはずはないので、遅れて来るか、弾幕の向こうのステージで一人練習しているのかもしれない。
 宵はちらりとステージの方を見やった。

「翡翠ちゃん」

 だがすぐに若い女性客に呼ばれ、脱線しかけた意識を仕事へと戻したのだった。
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