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Memory of Night 2
第13章 投影

「全然いいよ。ハルちゃんもよく君に構うなと思ってたけど、君も彼女のことをいろいろと気にするんだね」
「……え?」
「どうして?」

 ーーどうしてだろう。
 そう言えば、ドライブのあとも晃に、なぜ彼女を庇うのか聞かれたっけと思い出す。
 確かに、あんなふうに半ば強引に車で連れ回されれば、普通その人物に警戒心を持つだろう。けれど不思議と春加にそれはあまり沸かなかった。
 他人の恋愛事情にも、普段そこまで興味は持たない。
 だからおそらく、春加自身に自分が興味を持っているということなのだろうが、それがなぜなのか、どういう類いの興味なのかさっぱりわからなかった。

「……なんでですかね?」
「わからないのかい?」

 亮はわずかに驚いたようなトーンで、一言。そして、噴き出した。

「わからないのに否定しないってことは、自覚はあるんだね。それも面白いねえ」

 ひとしきり笑ったあと、言った。

「ここにいる人の大半を彼女は虜(とりこ)にするだろうからね。とても魅力的だろう? 何かしらの興味を持つのは普通のことだよ」

 曲がクライマックスを迎えるタイミングで、春加は腰に巻いていた布を取り去った。ブーツの他は、まるで下着のような面積の狭いショーツのみ。
 尻や股や足が露になり、客たちからは歓声が上がる。
 ポールに再び戻り、大きく開脚した足。その足で、今度は上下逆さまにぶら下がる。
 最初よりも、ずっと情熱的でエロティックなダンスだった。
 だが、彼女への興味は性的なそれとも違うのだ。
 曲はいよいよ三曲目へと突入する。
 ショーが終わるまで、ローズは異様なまでの熱気に包まれていた。
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