この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

 その日の夜。宣言通り鋤きハサミを買って帰ると、すでに晃は廊下に新聞紙を引き椅子を用意し待っていた。

「あ、おかえり」
「ただいま。……って準備早っ」
「頑張って心の準備したんだよ。もう今の君を見れなくなると思うと、それこそ断腸(だんちょう)の思いで……」
「……だから髪切るだけだろ。心中でもするみてーな言い方やめろ、怖いから」

 玄関からなかなか進まない宵に、晃は笑った。

「嘘だよ、髪切るならご飯の前の方がいいかなと思って」 

 それは確かに、と思う。
 早速宵は制服から部屋着に着替え、用意された椅子に腰を下ろした。前回も同じ場所で同じようにして切ってもらったのを思い出す。
 バスタオルを首もとに巻かれ、晃は買ってきたハサミを手に取った。
 何度か閉じたり開いたりを繰り返して使い心地を確かめている。

「どう? それでいい?」
「うん、大丈夫。使いやすそうなハサミだね」

 晃はしばらく宵の髪に触れ、もったいなさげに眺めていたが、やがて観念したようにハサミを入れ始めた。

「長さは?」
「とにかくなるべく短めに」
「…………おっけ」

 不服そうな間があったが、無視した。シャキ、シャキと小気味のいい音が響く。
/606ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ