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Memory of Night 2
第16章 恋と魚突き

「明、彼氏とか好きな子いるんかな。宵、なんか聞いてないか?」
「知らね。そんな話したこともねーや」
「……そんなこと言って、実は裏で付き合ってたりしないよな?」
「…………さあ、どうかなー。明に聞けば?」
「え、嘘だろ……」

 ばっと振り向き、みるみるうちに顔面が蒼白になる大山。先ほどから百面相だった。
 友人の取り乱しようが面白くてつい吹き出してしまう。
 宵の様子に、大山はむっとしたように唇を突きだした。

「悪趣味な冗談やめろって、もう! それで、こっからが本題だけどーー探ってくれないかな、明の恋愛事情」
「……俺が? 自分で聞けばいいじゃん」
「いきなりそんなこと聞いたら怪しまれるだろ、恋愛話なんてしたことないんだぞっ?」
「……だから俺だって無いって」

 厳密に言うと五月頃、春加のことを聞かれたが、それだけ。

「頼む、今彼氏とか好きな人が居ないかとか、どんなタイプが好きなのかだけでいいから!」

 両手を合わせられ、頭を下げられる。

「……しょーがねーなあ」
「こっそり聞いてくれよ、上手く、遠回しにっ」
「……注文うるせーな、たく。わかったって」

 面倒なことこの上ないが、友人のためなら仕方ないと受けることにしたのだった。
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