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Memory of Night 2
第17章 台風接近

 食事を盆に乗せ部屋に戻ると、部屋の中はずいぶんと賑やかだった。

「お待たせしました、ご飯できたよー! なんか盛り上がってんね。廊下まで楽しそうな声聞こえてたよ」
「えっ」

 明の姿が視界に入るなり、大山は慌てて姿勢をただした。そのわかりやすい反応で宵にはどんな話をしていたかが丸わかりだったが。

「内容まではわかんねーから平気だって」
「あ、ああ」

 大山の反応は小学生のようにわかりやすい。見ていて面白いくらいだった。

「あ、あたし叔母ちゃんたちにもご飯運んでくるね! 宵、あとは一人で持ってこれるから休んでてー! ありがとー」

 お盆両手にバタバタと部屋を出ていく。
 残るはご飯と汁物くらいだろうか。一人でいいと言うし、今のうちに報告もしたいので宵もそのまま晃の隣に腰を下ろした。

「お疲れ様。これ、明ちゃんと叔母さんで作ったの?」
「いや、叔母さんは他の仕事しに抜けちゃったから、ほとんど明。捌くのだけ手伝ったけど味付けとかみんなあっちだよ」
「へー、美味しそうだね」

 焼き魚に煮魚、テーブルの真ん中には刺身がどんと乗っていて、豪華だ。いい匂いがする。

「刺身は宵? 捌き方なんてよく知ってるね」
「うん、前にバイト先で教わったんだよ、居酒屋の」
「すごいな、意外な特技」

 大山も驚いたように刺身を見つめていた。

「あ、で明今彼氏どうだって?」

 そわそわと待ち望んでいた情報なのだろう、息せき切って尋ねてくる大山。

「ああ、彼氏も好きな人もいないって」
「本当か!?」

 大山は、がっと身を乗り出した。
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