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Memory of Night 2
第19章 夏の思い出

 民宿に帰ると明の叔母も叔父も起きていて、玄関まで駆け寄ってきた。
 もうすっかり深夜で、明も明の友人達も誰一人居なくなっていたのだからそりゃ何かあったと気付くだろう。その上みんな濡れ鼠。雨は降っていないのだからごまかしようもない。
 明がかいつまんで事情を説明すると、叔母達はまず安堵したようだった。

「まったくあんたは台風舐めんじゃないよ。まあ、無事で良かったよ。みんなも、本当にありがとね。とりあえずお風呂入って、ゆっくり休みな」
「ありがとうございます」

 宵達も頭を下げる。
 その日はシャワーで塩水を洗い流し、泥のように眠った。
 翌日、宵が最初に目を覚ましたのは何時頃だったか。案の定全身が筋肉痛だった。晃も大山もまだ眠っている。宵も再び目を閉じた。
 だらだらと惰眠を貪り、ようやくすっきりと目を覚ますことができたのは、陽が沈みかけた夕刻だった。
 晃も大山も似たような感じだったらしく、まだ各々(おのおの)の布団にいた。

「……さすがに腹減ったな」

 飲まず食わずで一日中寝ていたらそりゃ腹も減る。

「おにぎり、叔母さんが届けてくれたよ、昼頃。ペットボトルのお茶も」

 と晃。応対してくれたらしい。
 宵と大山は気付かなかった。

「……食う」
「俺も」
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