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Memory of Night 2
第19章 夏の思い出

 その、数分前。

「あれ、宵も晃も遅いな」

 大山は部屋で一人、呟いた。
 七時過ぎに明の叔母が夕食を届けてくれて、魚料理をいただいた。二人は食べ終わった食器を下に持っていくと言って部屋を出たきり、なかなか戻って来なかった。
 もう十分近く経っているのに。
 一人になると、どうしても明のことがちらつく。
 体調は大丈夫だろうか。叔母や叔父に叱られて、落ち込んではいないか。
 メールか電話をしてみようか迷ったが、同じ屋根の下にいて、わざわざスマホで連絡を取るのも変だろうか。
 明の性格なら部屋に遊びに来そうなものなのに、今日はそれもない。
 もしかしなくとも、避けられているのだろうか。

(宵でも連れて顔見に行ってみるか?)

 この状況で一人で行く度胸は、大山には無かった。
 宵なら面倒そうな顔をしながらも、なんだかんだ付き合ってくれるだろう。
 ふいに大山の目に、米印にガムテープを貼ったままの窓が写った。
 そういえば、補強したまま剥がしていなかった。もしベタつきが残るようなら綺麗にしなくてはいけないし、もう台風は過ぎたのだから剥がしてしまっても問題ないだろう。
 そう思い立ち、大山は窓へと近付いた。
 そして何の気なしに下へと目を向けた時だった。

「ーーえ?」
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