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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬

「二日間君を襲わずにさ」
「当たり前だろ、明も大山も居たんだからっ。てかたった二日だろ……っ? しかもその前の日に散々ヤッたじゃねーか!」

 海に行く前日の夜は二日もイチャイチャできなくなっちゃうから、という理由で、ベッドに引きずり込まれたままなかなか解放してもらえなかった。

「人間ヤり溜めはできないね」
「おまえの性欲が異常なんだよ。俺はもう充分な……」

 最後まで言わせてはもらえなかった。
 のしかかってくる晃の体。唇も塞がれ、容赦なく舌を差し入れられる。

「ふぅ……んっ」

 ティーシャツを捲られ、晃の手のひらに腹や胸を撫でられる。
 欲求不満だったわけではないけれど、こうして触れられると気持ち良かった。肌同士が触れ合う感触も、体温も、のしかかってくる重みや匂いも、心地良さについ流されそうになる。
 けれど宵は理性を振り絞り、晃の頭を押し退けた。
 上がった息を整えながら、掠れた声で言う。

「先、シャワーッ……」

 真夏で昼間の気温はかなり高かったし、汗もたくさんかいていた。

「えー、宵の匂いが流れちゃう。このまま……」
「やだっつってんだよ変態」
「っ……」

 晃の右足に蹴りを一発。もちろん本気で力を込めてはいないが、効果はあったらしい。痛みに小さく呻き、宵の上から退いた。
 宵は隙間から抜け出し、着替えとタオルを持って浴室へと向かう。

「足癖悪すぎるって」

 呟いた時にはもう、宵の姿はなかった。
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