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Memory of Night 2
第23章 墓参り

 晃は二の句がつげないようで、口元を引き結んだ。拗ねたような顔は、どこか子供じみて見える。
 やがてぽつりと言った。

「信用はしてるよ。君にその気が無くても、相手はわからないじゃん」
「ちゃんと言うって、恋人いるって」

 宵はつい笑ってしまう。晃の独占欲や嫉妬深さは付き合う前から強かった。あからさまに態度や言動に出すことも多かったが、春加が部屋に来たあとくらいからか、それを少しは抑えようとしてくれているような気がする。春加に何か言われたのだろうか。
 遠回しに伝えようとする様子が少し面白い。

「どういう学部に行きたいかとかもまだ決めてないんでしょ?」
「うん、なんも」
「夏期講習の合間とか、倉木先生に相談してみたら? どういう分野に興味があるかとか、今までの成績とか見て、君の学力にあった大学とか学部を教えてもらえるだろうし」
「あー……それが、今担任入院中らしくて」
「え、入院!? なんで?」
「急性胃腸炎だって」
「……そうなんだ」

 いつ頃退院するかもわからないし、退院後にすぐ復帰できるかもわからない。

「別にいーよ、あとで。受験は年明けだろ」
「まあね。一応あと四ヶ月あるけど。あっという間に過ぎちゃうよ、月日なんて」

 晃は口許に笑みを乗せた。だがその表情は、心なしか切なげに見えた。

「俺より、おまえはーー」
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