この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第24章 姫橋祭

「でも、一年先じゃ遅いんだよ。明、高校卒業したら県外の有名な製菓の専門学校に行くっていうし、遠距離確定なんだ! だから離れる前に……!」

 大山の言葉に、晃は内心どきりとした。

「へー、そういえば前言ってたな。パティシエになりたいって」
「俺は地元の大学行くつもりだから、せっかく付き合えたのに離れちゃうんだ」

 晃は無意識のうちに、大山から視線を逸らしていた。
 そろそろ、言わなければ、と思っていた話題だったからだ。
 ふと正面を見ると、明がお茶を両手に抱え、走っていた。
 戻ってきてしまった。

「ま、続きはあとでな」
「ああ、さんきゅ」

 小声で呟く宵に答え、大山は明の元に駆けていく。
 明の腕の中には、ペットボトルのお茶が四本あった。
 日が徐々に傾きつつあった。もう夕刻だ。西陽が明のオレンジ色の浴衣を、より一層艶やかに染め上げていた。

「みんなの分も!」

 眩しさに、晃はぼんやりと明と大山を見つめた。

「ーー晃?」

 隣で宵が顔を覗いてくる。

 ーー言わなければ、と思う。
 いつまでも引っ張ったって仕方がない。隠していても、いずれバレて
しまうことだ。

「もう少し暗くなったら、二人きりになりたいな。……聞いてほしい話があって」

 ずっと話そうと思っていた。タイミングを見計らうふりをしながら、この話題に触れるのを避けていたのも確かだ。だが、もしかしたらなんとなく、察してくれていたのかもしれない。

「うん、はいよ」

 晃の問いかけに、宵は小さく頷いた。
/606ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ