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Memory of Night 2
第25章 夏の終わり

 にっこりと笑ってみせると、とたんに宵は真っ赤になった。

「べ、別にそういうつもりで言ったわけじゃねーって! つかナチュラルに性別無視すんな! 何歳になってもおばあさんにはなんねんだよ!」
「……大好きの部分は否定しないんだ」
「…………」

 宵は頬を真っ赤に染めたまま睨み付けてくる。
 言葉の代わりにこくりと頷いた。

(これはもう、破壊力が……)

 最近は晃が伝えれば、照れずに好きだと返してくれることも増えたが、そんな真っ赤な顔で肯定されたらこっちまで照れてしまう。

「可愛いすぎ。宵、大好きって言って」
「やだよっ。もう、花火見ろよ! なんのために来たんだっ」
「えー、花火より宵を見てたい。キスしたいし、今すぐ押し倒したい」
「何頭おかしいこと言ってんだ、変態! 性欲魔人! ……つか、もうなんかすっかりいつもの調子だな」

 確かに、と思う。
 話して良かったと思う。晃の心は晴れやかだった。

「君のおかげ」
「俺なんかした?」
「うん、いっぱい元気をくれた」

 先ほどの宵の言葉を頭の中で反芻する。
 長い人生の中の、たった数年。そう言われてみれば、確かにそうだと思えた。
 そして何より、『俺が会いに行く』の言葉が嬉しすぎて、不安な気持ちは何もかも吹っ飛んでしまった。
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