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Memory of Night 2
第4章 新たな波風

 その後も滞りなくショーは進んだ。双子の子達のポールダンスはどちらも圧巻だった。まず単独の演技が順に行われ、最後は二人で一本のポールに股がり、息の合った官能的なダンスを披露した。
 あらかたテーブルを周り終え、カウンターに戻って他の従業員たちとショーを眺めていると、唐突に声をかけられた。

「すごいだろう?」

 いつの間にか隣にはマスターの三浦亮が立っていた。

「……はい」

 亮とは面接の時以外、ほとんど言葉を交わしたことがなかった。不意に話しかけられ、戸惑う。

「彼女たちは本場アメリカでポールダンスを学んでいてね。本当なら、こんな場所に気軽に呼べるような子達じゃないんだ」
「そうなんですか?」

 確かに、今までのショーとは系統もレベルも違うように思えた。エロさよりも、筋肉のしなやかさに目が行く。重力なんて無視した動きばかりで、体幹はいったいどうなっているのかと思う。

「ハルちゃんの昔からの知り合いでね。海外で有名になった今でも、年に何回か、ここで美しいショーを披露してくれる」
「へー、春加さんの」

 春加の昔からの知り合いということに、宵は違和感を覚えた。ポールダンスを披露している二人の年齢は、自分とそう変わらないように見えたからだ。華やかな化粧をしてはいるが、ギリギリ二十歳を超えたくらいじゃないだろうか。春加とは年が離れているように思う。

(あの人何歳なんだろ)

 ふと浮かんだ素朴な疑問は、マスターの声で頭の隅に追いやられる。
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