この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第26章 承諾書

 金曜日なだけあり、バーの客入りは多かった。引きも遅そうである。
 そんな中、宵はいつもの見知った顔を視界の端に捉える。
 相手も自分に気付いたようだった。

「……いらっしゃいませ」
「やあ、宵くん。今日も綺麗だね」
 ソファに座ってそう声をかけてきたのは、緊縛好きな中年の男、土方だ。にこにこと人の良さそうな笑みを見せられ、宵も会釈と礼を返す。
「ありがとうございます」

 バイトを始めたての頃は、シフトに入るたびにほぼ毎回見かけていた。忙しかったのか、夏は一ヶ月近く見かけない時期もあったが、最近また毎日のように店に来ている。

「お仕事、落ち着いたんですか?」
「え?」
「一時期いらっしゃらなかったでしょう? 仕事が忙しかったのかと思っ……」
「宵くん!」
「……!?」

 突然土方は立ち上がり、感極まった様子で宵の両手をぎゅっと握った。
 わけがわからず、宵は思わず後ずさる。

「すまない、君に一言も告げず、店に顔を出せなくなってしまって……っ! まさかそんなに気にしてくれていたなんて……」
「いえ……」
(気にしてねーって!)

 おもいきり吐き捨ててやりたかったが、どうにか心の内だけに留める。
/606ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ