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Memory of Night 2
第26章 承諾書

「てめえ、本当にいい加減にしろよ。なんだよ和装に緊縛って」
「あ、耳に入っちゃった? 土方さんか。まったく余計なことを」
「どういうことか説明しろ! 場所だけ借りるんじゃねーのか。あのおっさんに縛られての撮影なんてやだぞ! そんなのやるって言ってねーからな」
「ーーサインしたろ? さっき」

 平然と言われ、宵は固まる。

「あれは……」
「こっちが決めたコンセプトに従う。それでいいかって説明もちゃんとしたじゃん。そのコンセプトに緊縛があろうとなかろうと、承諾してサインしたんだから今さら文句は言わせない」
「……っ」

 二の句が告げず、宵は春加を睨み付けたままどうすることもできなかった。
 確かに春加から、そう口頭でも説明され、名前を書いてしまった。

「露出とかなしだって……」
「もちろん露出はなしだよ。アダルトや性的なあれこれもなし」
「だったら緊縛はおかしいだろ!」
「はあ? 緊縛は芸術だ!」
「芸……術?」

 もう、何を言っているのかと問いたい。確か土方も似たようなことを言っていたような気もした。春加に腹が立ち途中で抜けてきてしまったから、前後の呟きは覚えていないが。
 春加は腕を組み、真面目なトーンで告げる。
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