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Memory of Night 2
第27章 コンセプト

「ーー利用していただけですか? ハル姉の気持ちを」

 晃の問いかけはこれでもかとばかりに直球だったが、しっくりハマるような気がした。
 亮は唐突に、声を出して笑いだした。それはいつもの柔らかいものとは違い、どこかざらざらとした耳障りの悪さがあった。

「かたを持つかい? ハルちゃんの」

 投げかけられた問いは、晃に対してだった。
 晃は首を横に振った。

「別にかたなんて持ちません。俺はハル姉にも貴方にも、興味はないんで。どうでもいいです。貴方達が付き合ってようがなかろうが、ハル姉を利用してようが、あの店がどうなろうが。だけど宵は、彼女に興味があるようなので」
「そうみたいだね」
「……興味?」

 突然矛先を向けられ、宵は首をかしげる。
 春加の横暴で勝手な性格は単純に嫌だったが、それでもなんとなく、彼女の過去や言動は気になった。だから会話の内容だって覚えていたのだろう。
 興味があるかないかで言えば確かにあるのかもしれないが、それがどうしてなのか、どういった類いの興味なのか全く説明できないのだった。
 春加に感じるのは、もっと感覚的なものだ。

「もしかして、歳上の女性に対しての淡い恋心や憧……」
「あー、ないっす」

 それは違うとはっきりわかっているので、きっぱりと否定する。
 亮はひとしきり笑って、話を切り上げた。
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