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Memory of Night 2
第28章 独占欲

「ーーそれじゃ、僕たちはこれで失礼するよ。ポスター作りよろしくね。撮影のためとはいえ、一緒に旅行に行けるのを楽しみにしてるよ」

 玄関のドアの前で亮は春加を腕に抱き、深く頭を下げた。

「もし追加で何か話があれば、その時は俺が店に行きますので。ハル姉にも起きたら伝えといてください」

 釘をさすように、晃が言う。つまり遠回しに家には来るなという意味だったが、亮もきちんと意図は読み取ってくれたらしい。

「……うん、わかった、伝えとく。いつでもおいで、僕かハルちゃんがいる時なら、飲み物も全部サービスするから」
「ええ、用があれば伺います。用があれば。では、帰りもお気をつけて」
「どうも。じゃあ、またね宵くん、バイトで。お疲れ様」
「お疲れ様です」

 亮はすぐそばに横付けしていた春加の車の助手席へと、彼女の体を押し込めた。彼女の車で店に行き来し、そのまま駐車スペースではなく宵の部屋の目の前に停めていたらしい。
 その流れるような手順も含め、慣れているな、と思った。

「……あー、マジで賑やかだったな。今何時だよ、まったく」

 部屋に戻るなり、宵は軽くあくびをし呟いた。

「もう一時半過ぎてるね」
「マジか」
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