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Memory of Night 2
第29章 桃華

「ーーお疲れ様でーす」

 スタッフルームのドアが開き、入ってきたのは宵だった。

「……お疲れ」
「なんか顔色悪くね? 二日酔い?」
「…………」

 一瞬でバレたが、認めるのも癪に思えて春加はその問いは無視する。

「今日六時からじゃなかったっけ? 早くない?」

 時計を見るが、まだ五時半を過ぎたところだ。出かけてでもいたのだろうかと思ったが、どうやら違うらしかった。

「あんたに聞きたいことがあって」

 言いながら、宵は春加の正面に腰を下ろす。
 春加は構えるように腕を組んだ。

「……ポスターの件なら、もう文句は受け付けないからな」
「違うって、その話じゃない」
「……? じゃあ何?」

 シフトか何かの相談だろうか。いつまで作ってあったっけ、とまわらない頭で考える。
 だが宵からの質問は、春加が想像していたものとは違った。

「ーーあんたさ、俺の母さんと知り合い?」

 思いもよらないものだった。とっさに反応できず、春加は黙った。
 霞がかったような昨夜の記憶。微睡みの中で呼びかけられ、目を開いた先に、それこそ彼女がーー『桃華』が現れたのかと思った。一瞬動揺し、つい名前を呼んでしまったのだ。
 酒のせいで見間違えたわけではない。今見ても、宵は桃華にとてもよく似ている。
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