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Memory of Night 2
第31章 来訪者

 行動の意図がさっぱり読めず、宵も怪訝な顔で志穂を見つめる。
 志穂は右手で自分のお腹を撫で、左手で宵の服の袖を引っ張った。

「ーー宵」

 意を決したように、名前を呼ばれる。

「わたしには、あなたもお腹の子も、変わらないから……っ! 二人とも大切で大好きな、わたしの子供だから! 同じように愛してるからーー」

 語尾は掠れていた。
 その言葉で、ようやく志穂が気にしていたことがわかった。
 志穂のお腹にいる子は当然弘行との子だ。血の繋がりもある、志穂自らが産み落とすであろう子。
 宵は違う。血の繋がりのない、戸籍上の親子関係でしかない。
 志穂が入院したばかりの頃は、確かにそれを気にしていた。自分さえ居なければ、志穂が無理して働き、体を壊して倒れることなんてなかったと。自分みたいななお荷物は早く手放して、志穂自身の幸せを優先してくれればいいのにと思っていた。
 でも、今は違う。
 宵は志穂の必死の形相を見つめる。茶色い瞳も、栗色の髪も、造形も、似ている部分など何もない。書類上の繋がりを除けば、赤の他人だ。
 だけど晃が見つけてくれた、変な律儀さや、一緒に暮らしてきたからこその似てきた部分は必ずあるはずだ。
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