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第33章 撮影旅行前夜

「ダメ。強く吸ったり噛んだりして、明日腫れちゃったら大変だろ？　大きくなった乳首、みんなに見られたいの？」
「そんなわけ……ねーだろ？」

　悪態をつく声までが上擦って、自分の声じゃないみたいに濡れていた。そんな声を聞かれるのも嫌だった。羞恥で余計に顔が熱くなる。
　晃の執拗な愛撫は続く。乳首を緩く刺激され続けるのは気持ちいいけれど苦しくて、自然と息も荒くなる。
　宵は足を晃の腰に絡め、ぐっと引き寄せた。股間が圧迫され、その刺激に小さく喘ぐ。
　そっちを触ってほしい、と強く思った。

「ずいぶんエロいおねだりの仕方、覚えたね。どこをどうされたい？」
「……っ、んむ」

　答えたくなくて晃から顔を背けて唇を噛むと、すぐさま晃の人差し指を口に挿入された。

「そうやってすぐ唇を噛むくせ、治しなっていつも言ってるでしょ？」
「んん」

　言いながら晃は中指も口の中へと押し込み、舌を弄んでくる。指を押しだそうと舌を突きだすと、逆に挟んで捉えられてしまった。

「口の中も愛撫されたい？」

　問いかけられて宵は首を振ろうとしたが、その前に晃は宵の舌を離し、歯の裏や上顎を指先で撫でた。
　ぞわっと、背を何かが這い上がる。

「……気持ちいい？　口の中も性感帯なんだよ」