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第33章 撮影旅行前夜

　口腔は二本の指で刺激しながら、再び胸の赤い粒をもう片方の手で刺激する。そうしながら今度は耳に、舌を這わせてきた。

「そんなこといちいち言わなくたってわかってるか。だって宵、キスだけで立ってらんなくなっちゃうもんね」
「ん、ふぅ……んん」

　熱い吐息混じりに囁かれ、口と胸も一緒に触られる。ぞくぞくした何かが背を這い上がっていくようで、宵はたまらずに全身を震わせた。
　晃はそのまま耳から首筋へと唇を移動させる。
　首を舐められ、肌が粟立つ。

「んんっ」

　触れられてもいないのに、宵のそれは硬く膨張し、先端から蜜を溢れさせていた。太ももまでつたった感触があった。
　このまま緩い愛撫をずっと続けられたら、欲求がたまり過ぎて頭の中が変になってしまうのではないかと思う。
　たまらず自分で握ろうとすると晃は宵の手を阻むように邪魔してきた。
　宵の口から抜いた右手を宵の指に絡め、再び恋人繋ぎのようにして、股間に触ろうとするのをやんわりと防ぐ。

「ダメ。もっといっぱい、時間をかけてゆっくり可愛がってあげるから」
「う……無理、……触って」

　宵は音をあげた。ずっと焦らされ続けているようで、辛いくらいだった。熱を吐き出して楽になりたい。

「ダメ」

　だが、意地やプライドを捨てての哀願も、晃に一蹴されてしまう。