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Memory of Night 2
第5章 進路

 そして、ようやく面談が終わった。

「これ、やっぱもう少し考えていい? いつまでに出せばいいの?」

 無造作に机に置かれた進路希望の紙を手に取り、宵が聞く。

「今週中」
「はーい」

 時計を確認すると、もう五時半。三十分近く面談していたらしい。

「次の人へーき?」
「ええ、大丈夫。じゃ、またね宵く……わあっ」
「きゃあ」

 言いながら教室のドアを開けた倉木は思わず悲鳴をあげそうになった。
 教室の前には一人の女性が立っていたのだ。ふんわりとウェーブのかかった栗色の髪。柔らかな雰囲気の若い小柄な女性だ。倉木の声につられ、教室の前に立っていた女性も悲鳴をあげた。

「げ……なんでここにいるんだよ?」
「もう、それは私のセリフ! どうして今日三者面談があること教えてくれなかったの! 晃くんが電話で教えてくれなかったら、来れなかったよ?」

 そこではっとしたように倉木に向き直り、深々と頭を下げた。

「遅れてすみません、宵の母の大河志穂(たいがしほ)と申します。……もう、面談の時間は終わってしまいましたよね?」
「あたりまえじゃん。俺、五時からだったし」

 しょぼんとする志穂。倉木は腕時計に視線をやり、志穂ににっこりと笑顔を見せた。

「十五分ほどでよろしければ、どうぞお席の方へ」
「……は? 俺はもう帰……」
「ありがとうございます先生! よろしくお願いします!」

 結局、なぜか張り切る志穂を交えて三者面談は延長されるのてあった。
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