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Memory of Night 2
第33章 撮影旅行前夜
「……このクソ詐欺師」
「あれ、新しい悪口」
「どこが優しくする、なんだよ。『優しい』の意味をまず辞書で引け」
「……はは、つい理性が。ごめんって」
つい理性が、という言い訳ももう何万回めか、と思う。
宵はぐったりとベッドに体を投げ出したまま、起き上がる気力もなかった。
晃がイッたあとも体位を変えられ、奥をガツガツと突かれた。しっかりほぐしたので痛みはないにしても、繰り返し快感を引きずり出されるのは気持ちいいを通り越して苦痛を感じていたし、そのせいで何度も飛びそうになった。
全然優しくない。むしろ普段より激しいくらいだった。
「……やっぱり、あれだね、洗濯物と一緒で溜めすぎはよくないね。……あ、今のちょっと上手くない?」
「…………うざ」
「嘘だって。本気で睨むなよ」
晃は一度部屋を出て、再び戻ってくる。
「用意するの忘れちゃった」
そう言って差し出してきたのは、ミネラルウォーターだった。いつも晃は枕元に準備しておいてくれる。
宵はひったくるように奪い、ごくごくと飲む。
干からびかけていた体が生き返るようだった。
「つか、シーツどうすんの? 明日から部屋空けるのに」