この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第33章 撮影旅行前夜

 そんな顔をされる謂れはない。

「夜遅いし、危ないよ、痴漢とかされたらどうするの?」
「……大丈夫だよ、女じゃねーし」

 近所でそんな物騒な話は聞かないし、男が襲われる話もあまり聞かない。万が一襲われたとしても逃げるか返り討ちにしてやればいい。
 だが晃は首を振る。

「やだ、俺も行く」

 晃はシャワーの湯を弱め、口付けてきた。
 もうお互い出しきっているため、興奮して襲ってくることはない。終わったあとの甘えるような晃からのキスは、宵も好きだった。
 そのまま晃は宵の体を抱きしめてくる。
 直接肌を触れあわせるのは心地よくて、宵も晃の腕に全身を預けた。

「一緒に行こう」
「……うん」

 晃からの誘い文句は、少しだけ寂しげに響いた。
 心配だから、という理由だけではないんだろうな、というのがなんとなくわかる。
 ふと、思う。
 晃とこんなふうに一緒にこのアパートで過ごせるのは、あと三ヶ月あるかないかだ。
 晃はきっと、受験に合格するだろう。そうしたらここを出ていく。
 尊敬する父親と同じ大学の医学部に行って、夢を叶えてきてほしい。そう思う気持ちは、宵の中に強くあった。そのために離れて暮らすことになるなら仕方がない。それもわかる。
/614ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ