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Memory of Night 2
第33章 撮影旅行前夜

「君に春がきてほしいと願ったのは、ただわだかまりがとけて、晴れやかな気持ちで新しい店を始めてほしいと思っただけだよ。ハルちゃんが勘繰るような意味はない」
「はいはい、そりゃ、どーも。なんて優しい人だろうね、マスターは。お礼にあたしが初詣に行く機会があったら、店の繁栄を祈ってあげるよ」
「是非、お願いしようかな」

 春加の皮肉にも、動じる様子はなかった。
 春加は通話を切り、散らかった部屋を見渡す。
 桃華の亡霊は居なかった。当たり前だ。煙草に手を伸ばしかけたが、思いとどまってやめた。本数を減らす努力を、少しはしようかと思えた。
 宵に誘われドライブに行った日から、少しずつではあるが、春加の心境に変化があった。
 煙草や酒への依存を、治したいと思えた。
 自分が大嫌いだった。そこを指摘され、自分でもそうなんだと認められたからかもしれない。大嫌いな自分の嫌いな部分を、少しでも改善していきたいと思った。
 変わりたいと自ら思ったのは、それこそどれくらいぶりだろうか。明日早いというだけで、アルコールを飲むのをやめる気持ちになったのも、自分の中では大きな変化だった。
 だが、そうして煙草の箱から手を引いた春加の脳裏に、再び昔の記憶がフラッシュバックする。
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