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親友のカレ
第1章 親友のカレ
「──連絡先、教えてよ」
低すぎず、高すぎる事もないような、心地いい声のトーン。
『…私…?』
「あんた以外に誰がいんの」
別に変な意味はないと分かっているけれど、親友の彼氏と連絡先を交換するという事には少し抵抗があった。
「来月、真奈の誕生日でしょ。プレゼント、何にするかとか相談させてほしいんだよね」
『あ…。それなら、大丈夫ですけど…』
でも、真奈のためならきっと問題ないだろう。
そう思った私は隣に置いていたバッグの中からスマホを取り出し、LINEのQRコードを表示して、彼に見せる。
「…けど。暇な時には連絡するかも」
『えっ…?』
私のQRコードを読み取りながら、ボソッと呟かれた言葉に耳を疑う。
「──楽しみだね」
それは…、真奈の誕生日のこと?
それとも……
「お待たせ〜!凛、何か注文した?」
『あ…、ううん…。まだ、何も…』
「じゃあ、私も一緒にポテト頼もうかな〜」
電話を終えて帰って来た真奈にバレないように、慌ててバッグの中にスマホを仕舞う。
別に、やましい事をしているわけじゃないのに…。
なぜか、とても罪悪感を感じた。