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訪問 パティシエSana
第7章 Sanaの歓喜
 案内人の紳士に導かれるままドアを通り、狭い通路を一列に歩いて路地から地下に降りた。何の変哲もない鉄製のドアを這入ると控室のような殺風景な空間があって椅子が無造作に置かれているだけであった。暫くすると年齢が不明な女が別のドアから這入ってきてにっこり笑って、バインダーを差し出した。読んだらサインをと言われたが案内人の紳士が替わりにサインした。クラブの会則だそうで、守秘義務を課すものであった。
 Sanaは知らなかったが案内人の持ち物になっていた。パートナーというよりペットである。飼い主、ご主人様であったのだ。メイドに対するご主人様より下になる。
 椅子に座るように言われた。座ると案内人の紳士は下卑た笑いをしてSanaの首にベルトを巻いて、
「Sanaは今から、私のペットになるので、首輪をつけます」
 慌てるSanaの耳元で、
「お遊びですよ、心配しなくて大丈夫です。プレーを楽しむ設定ですよ」と言ったと同時に首輪をした。首輪からはリードが長々と伸びていた。ペットというより売られた奴隷みたいであった。リードはご主人様の案内人がしっかりと持っていた。
 Sanaは不安になったが云われるままにおとなしく座っていると、
「ペットが椅子に掛けてはいけません。床にしゃがみなさい」と促されて、Sanaは蹲踞の姿勢になった。少し可笑しかったのでSanaは笑った。その姿勢のままで目にマスクをつけられた。仮面である。写真に撮られたのを気がつかなかった。
「Sana、ペットとしてのお披露目をします。ペットは服が要らないので脱ぎますよ」
 女が後ろに回ってSanaの服を脱がしにかかったのでびっくりして飛び上がった。
「お嫌ならそのままでもいいですよ。Sanaのマロンクリップ姿を見てみたいのは私だけではないと思います。美し姿を見てもらって自慢しようと思いますよ」と何でも無いことのように言った。そして、女に案内人は合図して下がらせた。
 女は来たドアから出て言って、直ぐにまたやって来て『準備は出来ました』と言ってドアを開けたままに押さえた。
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