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Kiss Again
第1章 同級生
 なじみのカクテルバー『スターダスト』の扉を開けて 最初に目に入ったのは 緑色の頭だった。カウンターの奥から二番目の席。
 「愛美?」
 
 名前を呼ばれて 小さな顔がこっちを見る。
 この前会ったときには 肩までの真っ黒いストレートヘアだったのが 坊主頭かというくらい短く刈り込まれたベリーショートの緑色になっている。しかも いつもなら 決して濃くはないがきちんと化粧しているのに 今日は すっぴんで そばかすがわかる。

 「なに、なに? どーしたの?その頭」
 「気分転換」
 「気分転換の限界 こえてねぇ?」

 隣の席にすわり 改めて愛美を見る。
 細身の身体に 胸元が大きくくれている黒のぴったりしたTシャツ。明らかに ノーブラで 前かがみになると 乳房がみえるはずだ。ボトムは 落ち着いたグリーンのスキニーパンツに キャメル色のデザートブーツをはいている。
 化粧っけがまったくないので 顔色が悪く見える。
 見える、だけじゃあなく 顔色が悪い。

 いつものオフィスガール然とした雰囲気とは 真逆だ。

 「マスター おれ ハイボール。それと 何か食べるもの みつくろって」

 駅からは やや離れているし 目立たない場所にあるにもかかわらず、『スターダスト』に通うのは 店内がセピア色っぽい印象で 低い音でジャズが流れているという居心地の良さもあるが マスターの人柄によるものが大きい。メニューには 食事はないのに こんなことを言っても イヤな顔をしないで応じてくれる。

 「安部ちゃん 焼きそばくらいしかできないよ」
 「上等です」
 「お前も 食べる?」
 隣の 愛美に聞く。
 「いらない」
 愛想のない返事に マスターの顔を見ると ちょっと眉を上げて 「わかりません」を伝えてくる。
 
 愛美の前には ウイスキーのロックが置かれている。
 「ロックで 飲んでんの?」
 「酒 水で割って飲むほど 貧乏していないんで」
 そう言って 結構な量を ぐいっ、と飲んでみせた。
 「なに? それ?」
 愛美が 大きくため息をつく。この 匂い。
 「お前 バーボンを飲んでんの!?」

 マスターが かすかに肩を上げてみせる。

 愛美 こわれた?

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