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Kiss Again
第11章 岩田の恋バナ
愛美が おれのこと 好きだったとか。
どの場面を思い出しても そんなこと想像できない。
愛美は いつだって 「岩田が好きな女の子」でしかなかった。
そういえば 高校の卒業式に 岩田と愛美の写真を撮った。
岩田は あのとき最後の勇気を振り絞って申し出たんだろうな。 スマホを持つ手がわかりやすく震えていた。 愛美は にこにこして 岩田を見ていたっけ。
人ひとり分のすき間を空けて ふたりは立っていた。
スマホを向けると 愛美は 半歩ほど岩田に近づいた。
そのことに気がついた岩田は 愛美の肩あたりに 左手を彷徨わせた。
「それじゃあ 心霊写真だから」と笑うと 岩田は いよいよ顔を紅くした。
愛美は 自分の肩の上辺りに浮いている大きな手を見た後 岩田を見上げて ふわっ、と笑った。 それを 連写で撮った。
岩田からは むちゃくちゃ感謝された。 「生涯の宝物にする」とまで 言われた。
そして T大に合格した。
うちの高校からは 現役T大合格は 2年ぶりのことだったから 岩田は 結構な有名人になった。
だから 愛美は 岩田の特別な女の子、という存在だけだった。
確かに 『文学のこみち』で本を読んでいる愛美の姿は 美しい絵画のようだったが。
どの場面を思い出しても そんなこと想像できない。
愛美は いつだって 「岩田が好きな女の子」でしかなかった。
そういえば 高校の卒業式に 岩田と愛美の写真を撮った。
岩田は あのとき最後の勇気を振り絞って申し出たんだろうな。 スマホを持つ手がわかりやすく震えていた。 愛美は にこにこして 岩田を見ていたっけ。
人ひとり分のすき間を空けて ふたりは立っていた。
スマホを向けると 愛美は 半歩ほど岩田に近づいた。
そのことに気がついた岩田は 愛美の肩あたりに 左手を彷徨わせた。
「それじゃあ 心霊写真だから」と笑うと 岩田は いよいよ顔を紅くした。
愛美は 自分の肩の上辺りに浮いている大きな手を見た後 岩田を見上げて ふわっ、と笑った。 それを 連写で撮った。
岩田からは むちゃくちゃ感謝された。 「生涯の宝物にする」とまで 言われた。
そして T大に合格した。
うちの高校からは 現役T大合格は 2年ぶりのことだったから 岩田は 結構な有名人になった。
だから 愛美は 岩田の特別な女の子、という存在だけだった。
確かに 『文学のこみち』で本を読んでいる愛美の姿は 美しい絵画のようだったが。