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不誠実なカラダ
第4章 愛されたい それよりも
部長と口を利かない日が、何日か続いた。

あちらは、私に呆れ果てたのか、話しかけもしてこない。

こうなると、また体が寂しくなってくる。


そんな時に声を掛けて来たのが、元カレの典浩だ。

「環奈。」

今でも名前で呼んでくるなんて、勘違いもいいところ。

そう言う私も、名前で呼んでいるけれどね。

「なに?」

澄ました顔をして、エレベーターを待っていると、典浩が私の耳元で囁いた。

「なんだか、欲求不満って顔してるな。」

私は典浩をチラッと見た。

「よく分かるわね。」

「分かるさ。伊達に3年も付き合ってないだろう。」


そう。

大学時代に付き合っていた男が、典浩だった。

初めてだった。

純愛だった。

典浩しか、愛せないと思っていた。

あいつの浮気現場を見るまでは。


「どうだ?久しぶりに。」

気づかれない程度に、耳をペロッと舐められただけで、体が熱くなってくる。
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