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フレックスタイム
第7章 入籍と過去の女
「百合さん、大丈夫なの?
怪我をしているの?」とお母様が泣きながら訊くので、

「ちょっと掠っただけです。
手だから大丈夫です。
それより、家に入って、
ケンと居てあげてください」と言って笑った。

…笑ったけど、物凄く痛い。
心臓の鼓動に合わせて、ドクドクの波打つような痛みだった。

隊員の方に、
「あの…傷を見ても良いですか?」と訊くと、
「止血中で、病院で縫合が必要なので…」と押さえたままで見せてくれない。

「助けてくださった阿部さん…
運転手の男性にお怪我はなかったのでしょうか?」

「あちらの方は、大丈夫でしたよ。
今、パトカーで警察の方に状況を説明してますね」

他の隊員の方が、
「搬送先、確保出来たから車出します」と言う。


「ご家族は?」と言うので、

「夫に後から病院に来て貰います」と言って、
携帯を探した。

倒れた時に液晶が割れてしまったようだったけど、
なんとか電話は掛けられた。


「翔吾さん?
お仕事中に申し訳ありません」

「百合、珍しいな?
どうしたの?」

「あの…落ち着いて聞いてくださいね?
先程、帰宅して車を降りようとした時に、
あの人に襲撃されました。
阿部さんが庇ってくださって無事ですが、
私、怪我をしてしまって、
これから救急車で病院に行きます」

「えっ?どこの病院?
すぐ行くよ!」

病院名を伝えて、
「阿部さんは幸い、お怪我はしなかったようですが、
私の血でスーツやシャツを汚してしまいました。
お車も、もしかしたら傷がついてるかもしれません。
今、警察の方とお話しされてます。
翔吾さん、後で阿部さんにお礼を伝えてくださいね?
お母様には、ケンと一緒にいてくださいと言って家の中で待機してもらいましたので、
私が病院に行くこと、翔吾さんから伝えてください」

「判った。
あの女は?」

「パトカーで事情聴取受けてるようです。
殺人未遂で現行犯逮捕ですね。
大型のカッターでしたから、
強い殺意があると見做されます。
あ、救急車、動くので切ります。
心配しないでくださいね?」と言って電話を切った。


「あの…泣き言、言ってごめんなさい。
物凄く痛いんですけど…
鎮痛剤とかはないですよね?」

「5分ほどで病院に到着するので、
少し我慢出来ますか?」と言われて、
目を閉じて耐えていたが意識が遠のいてしまった。
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