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フレックスタイム
第1章 午前7時の女
着替えがなくて、一度脱いだ下着をつけるのも嫌だったので、
取り敢えず、ノーパンノーブラでパジャマを着る暴挙に出て、
急いで洗濯機を回して干した。

社長の脱いだモノもあったので、
面倒なので一緒に洗ってしまった。

パンパンと叩きながら洗濯物を干してたら、
ケンが不思議そうに見てる。


「こうやると、皺が伸びるのよ」と言うと、
「ふーん」と言って笑いながら、
パンパンしたいと言って手伝ってくれる。

素直な子供だな。
しかし、私と話す時はほぼ英語で、
社長と話すのは日本語混じりの英語か。

顔は確かにハーフっぽいけど?
と思いながら、ケンと一緒に寝てたら、
かなり遅い時間に社長が帰宅して、寝室を覗いた。


私はそっとベッドから降りると、
リビングに行って、

「おかえりなさい」と声を掛けた。

社長は少し酔った顔をしていたので、
「何か、少し召し上がりますか?」と訊くと、

「なんか、あるの?
嬉しいな」と言いながら、
「ちょっとシャワーだけ浴びてくる」と言って浴室に向かった。


んっ?
あーーーー!!

と思って慌てて追い掛けたら、ワイシャツを脱ごうとしていた社長の背中に突っ込んでしまった。


「えっ?何?」と振り返るので、

「あの!
ちょっと下、向いててください!」と言って、
洗濯機横の洗濯物を干している処から、
ブラジャーとショーツとキャミソールを取ろうとして、
体勢を崩して社長の方によろめいてしまう。


「あっ!あの…
ごめんなさい。
お洗濯、させて貰ってて…」と、赤面しながらもごもごと言い訳すると、
社長も私を支えた手触りで、何かを察してしまった。


「あのですね。
別に他意はないですから。
一度脱いだ下着をつけたくなくてですね。
ほら、今日もケンとお風呂に入るとは思わなくて…」


社長は笑い出してしまう。


「別に無印良品みたいな下着なら、
乾くまでそこに干しておいて良いよ?
気にしないから。
それより…多分ノーブラノーパンだよね?
そっちが気になるから…。
大きいけど、これ履いとく?」と、
引き出しから社長のものと思われるトランクスを出される」


「ノーパンよりマシですよね?
お借りします。
あ、あっちで履いてきます」と受け取りながら言うと、
社長は面白そうな顔で笑い出してしまった。


「ホント、佐藤さん、面白いね」




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