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フレックスタイム
第3章 秘書室の女
もう、新しい名刺が出来てる。
ってことは、多分、土曜か日曜のうちに手配してくれてたんだろう。

秘書室のスピード感を少し実感した。
土日も、そして、平日の業務時間外も、
仕事脳じゃないと務まらない部署。

そんな処でフレックスタイムの私が、
きちんと業務を遂行出来るとは思えない。


伊藤さんは、男性としては小柄で中年太りのオジサン。
人懐っこい、キツネかタヌキかと言えばタヌキ顔で、
ニコニコしているように見えるけど、
凄く周りを観察して先を読んでいる感じがする。
大きめの少ししわがれた声は、
聴いていて落ち着くけど、
相手を少し威嚇したり、牽制したりすることも出来るように思えた。


池田さんは、170センチ以上はありそうな身長に、
更にヒール靴を履いているから、
伊藤さんよりずっと背が高い。
推定185センチの社長と並んで様になる外見。
スーツ姿は、なんだか学校の怖い先生のようだ。
きちんとお化粧をしていて、綺麗な顔立ちだけど、
笑った顔が想像出来ない。
社長と同期ということは…
多分私より一回り上になるんだろうけど、
お局さまってことは、独身なのかな?
電話はほぼ全部対応してくださっている。
〜いつ、お手洗いに行ってるのかと思うほどだった。
それ以外は、パソコンに向かっていて、
ふと気付くと周りを観察しているような感じもする。
挨拶程度しかしてくれなくて、
上手くやっていけるのかも判らない。


今週末で有給消化して辞めるという田中さんは、
いかにも秘書というイメージの女性かもしれない。
セミロングの髪を丁寧に巻いて、薄化粧に見えて実はきちんとしたメイクをして、
多分私と同じブランドのワンピースを着ている。
少し低めのヒール靴なのは、
伊藤室長に気を遣っているのかもしれない。
こんな素敵な秘書を連れて歩くのが、
男のロマンなのかな?
なんてことを考えてしまう。


それに比べて、私は…。
背も低いし、
メイクも結局、眉毛と苦くて紅い口紅だけだし、
髪は一応夜会巻きにはしてみたけど、
ラップワンピースは胸元が恥ずかしくて、
内側をこっそり安全ピンで留めて、
露出を控えめにしてみたりしてた。

見た目より何より、
フレックスタイムでの勤務時間では、
とても秘書なんて無理だ。

そう思ったら、
秘書初日から凹むことばかりだった。
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