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満月の夜に
第1章 第一章 瞳


タンタータタンタ〜♪

静まり返った部屋に

めいいっぱいのアラーム音が鳴り響いた。

まだ顔を出し始めたばかりの太陽の光が

カーテン越しに二度寝を阻止するように入り込む。


ファァ…そろそろ起きなきゃな……

ポカポカに温まった布団から

極寒の部屋に出るのは

私にとっては至難の業だ。

ベッドの端に脱ぎ散らかしたスリッパを

ゴソゴソと足で探り履き、

薄暗い台所へと重い足取りで向かう。


今日も地獄のような1日が始まってしまうのか…

学校行きたくないな…

なんて考えているうちに

時計の針はあっという間に一周を終えてしまう。


私の朝ご飯は基本なしで

食べたとしても、スナック菓子。

そんなんだからいつまで経っても幼児体型なんだ

と思いながら、コップ一杯の水を飲み干した。


適当に髪をとかし、適当に一つに結ぶ。

男子のいない学校でオシャレする意味は皆無だ。

後悔する時があるとしたら

電車にイケメンがいた時くらい。


電車の時間まで後15分、そろそろ出るか…

可愛げのない真っ黒の制服を見にまとい

イヤホンは大音量で

颯爽と駅までチャリを漕ぐ。

あともう少し頑張れば春休みがくる

それだけを励みに行くしかない。


今日は美緒や麻帆から

どんな仕打ちを受けるんだろうか…

時刻通りに来た電車に揺られ

考えるのは毎日そんな事ばかり。


この時期の女子は集まるとろくな話はしない。

基本恋バナか誰かの悪口かそんなとこでしょ

私は昔から少し大人びているせいか

同世代の周りとなかなか合わない。

面白い話もしないし

愛想笑いも適当なせいで

いい子ぶっているとイジメの標的にされ続けてきた。

極めつけはズバ抜けて可愛いということだ。

ということもあり、小学生の頃から

いじめっ子の格好の餌になっていた。

これも1つの運命なんだろう…

なんて前向きになったところで

いいことなんて一つもないのに。
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