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そぶりをやめて
第11章 半年と3日
2週間ほど前の、16日が汐里の誕生日だった。

平日だったし、普通に汐里が作った晩御飯を食べ、佳佑が買ってきたホールケーキを食べて。
あとは『何も無く』終わった。

5月の佳佑の誕生日も平日で、何も特別扱いしなかったからかもしれない。
何か御馳走を作ったほうがいいのかと、夕飯は何食べたいか聞いた時に『牛丼』とリクエストされた。
なので、ちょっと拍子抜けだったが、リクエスト通り牛丼を作った。
いつもよりちょぴりお高いお肉を使った程度。
それと、小さなホールケーキ。

汐里の誕生日も、美味しいケーキも食べたし。
ちょっと贅沢して、いつもより多い種類の入ったお刺身パックを買ったし。

だから、別にもっと御馳走が食べたいとか。
プレゼントが欲しい、とかではないんだけど。

でも、何だろう。

なんかモヤモヤ。


何が自分をモヤモヤさせているのか、さっぱり分からない。


家に着いて、黙々と通常の家事をこなしてゆく。

まずは、お米を洗って、仕掛けて。

お風呂のスイッチを押して。

お風呂場に干した洗濯物を取り込み、仕分けながら畳んで。
自分の服や、生活に使うものをそれぞれ仕舞う。
こだわりのある佳佑の分は、定位置に置いといて。あとで自分で仕舞ってもらう。

ハンバーグを選んで出して。
野菜室から、野菜を見繕って、サラダを作る。

カボチャのサラダにしよう。

佳佑、あんまりカボチャは好きじゃなさそうだけど。
知ったこっちゃない。

生のカボチャを、ガンガン音を立ててカットする。

切りにくくって、チカラが必要で、そこがいい。


ずっと実家暮らしだった汐里にとって、家事、特に料理は未知数だった。

めんどくさいと思うことも多いけど、自分の食べたいものが食卓に並ぶし。
佳佑は、イマイチな出来でも、あまり文句も言わず食べてくれるし。

この半年ほど、楽しみではないが、まだなんとかやってこれた。


ほぼ晩御飯が出来上がったが、まだ佳佑が帰らない。

全国の主要都市などに出ていた緊急事態宣言やまん延防止措置が、とりあえず終わりそうで。
それに向けて忙しくなってきたのかもしれないけど。


一応晩ご飯は一緒に食べるつもりなので、パソコンを出してお店のチラシのチェックを始めた。

「ただいまー」

玄関で音がして佳佑が帰ってきた。
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