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そぶりをやめて
第13章 遡ること140日前
「松岡、そろそろ転勤時期じゃないか?」

「そうなんだよ。もうあってもいい頃なんだけどなぁ」

久しぶりに同期の檜山から電話があった。

お互い会わないうちに色々あったのは、なんとなくウワサで聞いている。

しかし、今時ワザワザ電話してまで、何の用があるのかは分からない。

田舎の地方銀行勤めではあるが、同期とはいえ、同じ支店になったのは最初の頃の数年で。後はバラバラ。
いま現在、檜山は地元の本店近くの大きな支店にいる。
片や、佳佑は、某都会の小さな支店にいる。

2〜3年で転勤が多い中、佳佑は今の支店にもう3年以上になる。

「小耳に挟んだんだけどさ。今度のバンコク支店、俺かお前らしいぞ」

「マジで!?」

タイの首都バンコクには、地元の企業が数多く事業展開していて。
田舎の地銀としては珍しく、バンコク支店がある。
現地スタッフもいるが、日本から数名が転勤している。

数年前なら、海外支店勤務は花形出世コースで。
タイの他に、中国が北京と上海の2箇所と、ニューヨーク支店、シンガポール支店もあって。
どこも希望者が殺到していた。

コロナが世界規模で流行ってしまった今となっては、誰もが敬遠する転勤先だ。

中国に比べて、まだタイはそこまでコロナが広がってないらしく。 年回り的に今年は配置換えがありそう。

しかし、コロナの拡大を懸念して、“比較的身軽な人物”に転勤命令が出そうだ。

という、檜山情報。


“比較的身軽な人物”とは、恐らく“結婚してない”という意味だ。

約3年前、結婚式1ヶ月前に婚約解消して以降結婚の兆候のない、佳佑か。

ごく最近、離婚して独り身となった檜山か。


「お前、もう結婚する気ないの?」

あまり聞かれたことないことを、ズバリ聞いてくるのは檜山らしい。
思わず苦笑いしてしまう。

「いや。そんな事ないけど」

確かに、婚約解消した半年位は、かなりひこずってた。

今は、軽く彼女っぽい子がいる程度で。
本気で結婚したいと思えてないぐらいだ。

「じゃ、結婚予定ってことにして、辞退してくんね?」

どうやら、檜山はバンコク支店に転勤したいようだ。

「お前、そんな居づらいの?」

檜山の女遊びは、入社当時から激しかった。
今回も、コロナ禍で色々露見してしまっての離婚と聞いている。
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