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そぶりをやめて
第10章 160日 〜その2〜
テントごとに、雰囲気を変えているらしく。
汐里たちのテントは、 バリ風リゾートといったところだろう。

他のテントは、エジプト風だったり、ハワイ風だっだりするらしい。

それも気になるけど、バリ風もなかなか気に入っている。

ラグやクッションなどのファブリックや、観葉植物、小物などが、正しくバリ風だ。

藤で出来た間接照明が、部屋の中にいくつもあって。
生成色のテントの生地と相まって、テント内をオレンジ色の柔らかな光で包んでいる。

「あっつー」

川沿いの外とは違い、テントの中は一気に暑く感じる。

ゴツめのウインドブレーカーなどを脱いで、これまたバリ風のラックにかけた。

2人共、パジャマになって、ベッドにあがる。

クイーンサイズの大きなベッドには、バリ風のクッションがたくさん置いてあり、テントの天上からこれまたバリ風なのか薄い布が垂れ下がって天蓋風になっている。

そんな色っぽいベッドに、2人大の字で寝転がる。

「疲れたな...」
「ほんとー」

前日までのコテージの優雅な2日間と違い、今日は何かとバタバタとした。

まずはバーベキューが何かと大変だった。
2人ともがキャンプがほぼ初で。分からないことだらけ。
管理棟から、材料やら、調理器具やらを運んで。
グリルは電気式だったが、まず火の付け方から分からず。
お肉の塊の他に、ダッチオーブンでパエリアもしなくてはならず。
何とか苦労し作りながら食べ終えると、今度は片付けもあって。
また管理棟に運んで。
と、時間がかかりまくった。

やっと片付けたと思ったら、温泉の閉まる時間が迫っていて。
慌てて着替えを掴んで、管理棟の温泉に入りに行って。

そしたら、キャンプファイヤーをすると聞きつけて、テントまで急いで戻って、風呂セットの代わりに上着やモロモロを持って広場に向かった。

「グランピングって、もっと何もしないでイイのかと思ってた」
「ほんと、それな」

自分たちでする人達は、テント張ったり、火を起こしたり、もっともっとすべき事があるだろう。

こんなふかふかのベッドじゃなくて、寝袋だろうし。

「...寝るか」
「そうだね」

佳佑が立ち上がり、間接照明のいくつか明るいものを、消してゆく。
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