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蒼い月光
第12章 朱里の誠の敵討ち

昼食を済ませてから、千代は厨房を訪れた。

片隅で小さくなって座ってる
鬼食い番の兵吉を見つけると
近づいて小声で語りかけた。


「兵吉、私に渡す物が届いておりませぬか?」

「これでございましょうか?」と
風呂敷の中から細かく編み込んだ
鎖帷子を手渡した。


「ところで、千代さま‥‥
余計な詮索とは思いますが、
なぜこのようなものを
調達せよと命じられたのでしょか?
よろしければお教えくださいませ」

そのような事は知る必要などないと
突き放すこともできたが
千代は山賊の討伐に行きたいのだと
正直に語って聞かせた。


「またまた、そのような戯れを‥‥」

兵吉は冗談だと思ったのだろう。

ニコニコと笑顔を見せていたが、
千代の真剣な眼差しに、
冗談ではないのだと気付いた。


「なぜに、そのような‥‥
千代さまが一声かければ、
城内の猛者どもが我先にと
討伐に出向きますものを‥‥」

「今は理由を聞かないでおくれ‥‥」

千代の意を決した鋭い眼光に
兵吉はたじろいだ
ならば、お耳に入れておきとう事がございますと
兵吉は小声で話し始めた。

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