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蒼い月光
第13章 決戦!
「覚悟!」

解毒玉が効いてくれるのを待たずに、
千代は頭に挑みかかった。

あと数分!数分だけお待ちください!!

兵吉の叫びが声にならない‥‥

解毒玉の苦味が舌を痺れさせて
呂律が回っていなかった。

小太刀を逆手に持ち替えて、

頭の喉笛を目掛けて飛びかかった。

「ガハハ!甘いわ!!」

鉈を一振りすると、
その刃は千代の小太刀の刀身を捉え、
パキンと金属音を残して折ってしまった。

「ガハハ!覚悟しろや!!」

頭が鉈を振り上げた。


『やられる!!』

覚悟を決めた瞬間、
石つぶてが男の後頭部にぶつけられた。

コツン・・・ 勢いのない石つぶてだったが
千代を切りつけようとする意識を
逸らすには充分だった。

「誰だ~~!!!」

「千代さまに刃を向けるとは、
この不届もの!!!」

八重が息を切らしながら峠道を駆け上ってきた。

「八重!!」

来てはいけない!!
来ないで!!

力の限り叫んだが
八重は懐刀を解きながら駆け寄ってくる。

「千代さま、遅れまして申し訳ございません!!」

城を抜け出す千代に気づき、
慌てて後を追いかけたが
とんでもない老馬であったため
途中でヘバッてしまい、
馬を捨てて駆け上ってきたのだという。

「この不届きもの!!成敗してくれようぞ!!」

懐刀を脇に構え、
突き進んだものの
いとも簡単に身をかわされてしまった。

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