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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第15章 “EDEN”
ああ、もうこんな時間か。

マンションに戻っても、またあの夢に囚われるだけだ。

今日会った人達との話を纏めたい。

オフィスに戻ろう。そう思い歩き出す。

頭の整理しながら歩く。

モデル事務所は、ぜひウチのモデル選考対象にしてやってくれと乗り気だった。

例え選ばれなくても、文句は言わない、と。

都市伝説の事を知っているかのようだった。

芸能事務所は、最初は驚いたいたようだが。

モデル事務所の二つ返事を見て、いいことだと判断したようで、こちらもあっさりOKを出す。

1件1件話をしに足を運んでいたり連絡をいれていたら

噂があっという間に回り、やりにくくなっていただろう。

あの場を設けてくれたマチ子ママには感謝しかない。

映画の衣装提供社は元々懇意にしているとこだったが

健三郎氏がいてくれたこともあって、こちらも難なくOK。いやむしろ、大喜びだったようだ。

各TV局の重役クラスたちも難色を示すものは一瞬も無いようだったし。

一条沙織の祖母、松平梅乃と懇意にしている者もいたようだ。

何より今回の件はマチ子ママに集めてもらえたから早く済んだ。

ここでもたついてしまったらモデル選考の時間が十分に取れない。

何せ数が多い。多さも武器だからしょうがないんだが、

どうせなら、すべての衣装を一番ベストな形で送り出してやりたい。

ならば、モデルの質の向上は譲れなくなってくる。

女優もだ。キャストは申し分ない。その女優たちの快諾が必要だ。


オフィスに戻り、まず酒と煙草の匂いを消すためにシャワーを浴びる。

………眠らなければいいのだ。

極限まで眠らず、自分を追い詰めて、

寝る間を惜しまなくてはならない環境を作ればいいんだ。

限界を感じ眠れば、夢を見なくて済む。

鬼畜のような俺に彼女は凌辱されなくていい。

愛の言葉を囁きあいながら慈しみあわなくていい。

互いを狂おしく求めあって抱き合わなくていい。

だが。健三郎氏をお見送りする時に言われた言葉が

とても痛く。

胸の真ん中に大きな楔を打たれ、血が流れて行くように感じた。

「朝比奈くん。君の求める色は相変わらずいいが。

 だが、そろそろ本物の恋をしなさい

 本物の恋を知ったときの君の作品が、見たい。」
 
今、諦めたのです。健三郎氏。ご期待に添えられず申し訳ございません。


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