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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第17章 It's all right. 3
ガタ!と何かが倒れるような大きな音がしたので、そちらを見ると。

「雅人!」

テーブルに寄りかかり方膝をつく雅人の姿が目に入る。

慌てて駆け寄り、立てないでいる雅人をすぐ傍のソファへと

抱き上げようとした。

「ああ、レイ、か。」

血の気のない顔の雅人が私を見て力なく笑う。

「何、どうしたの。なんで。」

ソファに横になるよう座らせる。

呼吸が浅い?それに、ちょっとやつれた?

「……なんで、お前が、…泣いてる?」

力のない声で、そう言い私の頬に手を添えて指で涙を拭ってくれる。

ああ、こんな時に。こんな時なのに。

私の事なんか気にかけて。

こんな体調不良そのもののくせに。

自分のコト心配してよ!

やだ、朦朧として意識失くしかけてるじゃない。

「雅人、しっかりして!救急車、呼ぶから!」

スマホと取り出して、119番を押そうとするが、

何度も番号を押し間違えてしまう。

たった3つ数字を押すだけなのに。数字が見えない。

「......救急車、は、.......いい、」

私のスマホを掛けようとする手に手を重ねてくる。

「......少し休めば、....大丈夫だから、」

私の中で何かがキレて。ひらめいた。

「もしもし!大至急こっちに迎えの車回して!ええ、住所は………」

迎えの車を手配し、雅人を睨む。

「しっかりして!お願いだから。

 ちっとも大丈夫じゃないくせに、大丈夫だなんて言わないで!」

涙がボロボロこぼれる。

さっきまで雅人が横になるソファの前の床に膝ついていた筈なのに、

今の私。

仁王立ちになって雅人を上から見ている。

「私、今までいっぱい雅人に慰めてもらって。

 Part-time,loverしてもらって。」

グイと腕で流れ落ちる涙を拭く。

「今度は私が雅人に何かしたっていいでしょう?

 それとも何?私なんかの助けなんて必要ない?

 それとも私、そんなに頼りないのかなぁ?」

涙をボロボロ流して噛みつくように雅人に言う姿、

きっと鬼の形相だったと思う。

そんな私を。

ソファに横になっていた雅人が、一瞬目を見開き。

そして、目を細めて力なく笑う。

やだ。そんな風に笑わないで。

嫌よ、雅人、死なないでよ?

やっとこの気持ちに気付いたのに。


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