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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第18章 Older friends
翌朝。朝倉医師の許可を得て、退院の準備をした。

どうしようかと迷ったんだけど、

やっぱりレイのところに行ってみようとある病室を覗いてみる。

レイ、ベッドの傍らに座り、

点滴をして眠っている男の人を心配そうに覗き込み手を握っている。

覗いちゃってるけど。

覗きは、良くないと思い、控えめにノックしてみる。

その音にハッとした顔で振り返り私を見るレイ。

ものすごく泣き腫らした顔だった。

胸がキュッと痛む。

恐る恐るレイの元に近づき声を掛けようとして。

ベッドに眠る男の人の顔をそっと見ると。

え?お兄ちゃんにちょっと似ている?

「レイ、私。お家に帰ってるね。」

レイの瞳が一瞬驚いたように見開かれ。

そして困ったように泳ぐ。

「私も、一緒に行くわ。」

意を決したように言うレイ。

「いいの。レイはこの人の傍にいなくちゃ。」

レイの言葉を遮る。

だって、この人レイの大切な人なんだよね?

だったら、私にだって大切な人なんだよ?

私だっていつまでも子どもじゃないんだから、

少しは信用して任せてよとまくし立てる。

レイの泣き腫らして真っ赤になった目から、また涙がこぼれる。

まだまだ子どものくせに言うわねと呟き、笑う。

レイ、なんだかちょっと変わったな。

この男の人が変えたのかな。

こんなに泣いて。泣き腫らしたボロボロの姿だけど。

でも、レイってばキレイになったなって思うもん。

「SP失格ね。」

「ううん、レイはSPじゃないよ。

 私の大事なファミリーよ。

 だから、その人が元気になったら、必ず紹介してね」

言い終わらないうちに。

ありがとう、ありがとうと泣きながらハグされる。

やだ、そんなに泣いちゃヤダよ。

寂しい想い我慢してたのに。

レイを取られちゃったって想い、我慢してたのに。

我慢してたものが一気に噴き出しちゃって、

私もレイにしがみついて泣き出しちゃったじゃない。

「何事よ?病室なのよ、ここ!

 外までアンタたちのおんおん泣く声が、丸聞こえよ!」

と、何事かと駆け付けた朝倉医師に病室から放おり出された。


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