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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第20章 Let's party at the bar
2曲目が終わり、ステージが暗転したのをきっかけに

俺は席から逃れるように、レストルームに向かった。

まずい、こんな顔誰にも見せられない。

客席はステージに圧倒され、

俺が席を外したのも気付いていない有様だったので助かった。

だが、まずい。

俺自身がどんな表情をしていたか、俺自身分かっていないのだから。



すげぇな。沙織ちゃん。

あれ。途中から社長に向かって歌ってた、よな?

あんな貌するんだ。たまんねぇ。

あんなたまんねぇ表情で、あの切なく甘い声で。

自分に向かって恋い焦がれた相手を追い求められるように、

手を差し伸べられて歌われたら……。

ゾクッと身震いした。


社長?どこ行くんだ?

ああ、追い掛けていきたいとこだが。

今のこの曲を歌う沙織ちゃんの声が俺をまた虜にしていく。

いいさ、社長はゲスト連れて来てんだ。帰ったりはしない。

大方レストルームだ。

あとでこっそりレストルーム覗きに行こう。

3曲目は日本の超大物男女2名のバンドのクリスマスソングを

華やかなJAZZ風にアレンジしたものだった。



前回同様息を切らし満面の笑みの彼女がバックステージに返ってきた途端。

客席から怒号のような歓声と拍手が沸き起こる。

本当になんて娘なのかしら。

お疲れ様、と抱きしめると。楽しかったぁと笑う。

幻が見えちゃうくらい、2曲目嵌って歌えたわ!涙も出ちゃったの。

こんなの初めて。と息を整えながら言う。

ペットボトルの水を蓋を取り渡してあげると、

コクコクと音を立て美味しそうに飲み干してゆく。

幻が見えたの?

と問うと。

そっと目を伏せ恥ずかしそうにはにかみ頷く。

あら、ちょっと。マチ子ママ?

朝比奈さんをステージ上からうっすらと見えるようにと、

演出のためステージと客席にスモークも焚いて。

こちら側からほんのわずかだけど彼をそのスモークの中からほんのりと

浮かび上がらせるためにライティングしたの

逆効果だったかもよ?

幻見たように思っちゃってる。

ステージで1曲ぶちかました後だから、飛んじゃってたのかもよ?

でも。

彼には効果てきめんだったはず。あんな顔初めて見たもの。

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