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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第21章 Shaking feelings
着替えを済まし、

客席にいるお客様に顔を見られないようダイアナさんに守られながら、

自分たちの個室に向かっていた。

まだ歓声は鳴りやんでいなかった。

その時向かい側からやって来るその人に気付いて、固まる。

相手も、そうだった。

あ、朝比奈さん?

う、う、嘘よね?

あれは、私の勝手な妄想からスモークとライトの

光によって生まれた幻じゃなかったの?

私、あなたの幻に、

あなたが欲しいとあなたに向かって手をのばし。

狂おしいほどにあなたに夢中だと、

涙しあなたの愛を懇願してしまった。

目が合うと、朝比奈さんは赤くした顔の口元を手で覆い隠し

俯きがちに目を逸らした。

ああ、迷惑だったんだ。

そう思った途端膝から崩れ落ちる。

ダイアナさんに崩れ落ち切ってしまう前に抱きかかえられ。

ダイアナさんのドレスの長い袖に包まれ、

視界を完全に奪われながら

ほぼ抱きかかえられるようにこの場から離されていく。


彼の姿が見えなくなったところで、

やはりここは、と思い沙織ちゃんをお友達の待つ個室ではなく

ママのオフィスに連れて行こうと思い行き先変更をする。

戸惑う沙織ちゃんを宥めオフィスのソファに座らせ、モニターをチェックする。

いた。出口付近のスタッフにインカムで連絡し

大至急ママにこちらに来るようにと伝言を頼む。

モニター中のママはスタッフに耳打ちをされると、

お客様のお見送りもそこそこにここへ向かって走り出す姿が映し出されていた。


「そんな泣かないで」

沙織ちゃんの隣に座り抱きしめ、

身体を揺らしながら子守唄を歌うようにそう言い続ける。

だって、だってとまだ泣きじゃくる。

「徹ちゃんだって、照れてんのよ。あんなステキな告白なんて、

 人生の中でそうそうないわよ?」

抱きしめられてる腕の中で子供みたいに違う、違うと頭を振り続ける。

ううん、ママ。あれは確かに違う。照れてるんじゃない。

オチてる。

完全に。

あの男は厄介だわ。

自分でも完全にオチたの分かってるくせに、

それを認めまいと必死になってる。
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