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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第21章 Shaking feelings
ピロン♪

あ。LINEがまた来た?

ソファにダラリとうつぶせ寝したまま、

テーブルの上のスマホを手繰り寄せる。

連続で着信音が鳴る。グループのだな。

『昨日の沙織ちゃんの歌、すっごい良かったよ感動した!』

『おお、すっげえカッコよかったよ!』

『またみんなであのお店行きたいな。』

『あの後、沙織ちゃん大丈夫だった?』

『マチ子ママが送ってくれるって言うからお任せしたけど、

 今どこ?ちゃんとお家にいるの?』

そう、あの後。

グズグズ泣く私はみんなのところには戻れずにいた。

『過呼吸気味だから、少し休ませてからお家まで送るから。』

とみんなに説明してくれたのだ。

『俺、あんな告白されてみてぇ。』

うさぎちゃんが大きな♡を持ってこちらに差し出す仕草をするスタンプ。

カッと顔がまた赤くなる。

『あんなのされたら、絶対オトコなら応えるぜ?でなきゃオトコが廃る!』

『女の私でもキュンキュンしちゃったもの!』

『撃ち抜かれたわ。まさにクリティカルヒット!』

『バカ、あんたにじゃないって。』

『その場にいた奴らでもありゃ勘違いする級だぜ?』

『私が男なら、絶対撃ち抜かれてる。』『ハートぶち抜き。』

『沙織ちゃんにあんな風に告白される男、幸せだぜ。』

迷惑、だったのかもしんないのよ。

うさぎちゃんが涙を流しながら、今の私のようにうつ伏せになってるスタンプを送る。

『どうしたのよ!何があったの!』

『フラれたのか?』『噓でしょ!』『どこのどいつだ!』

顔真っ赤にして怒ってるスタンプの嵐

『そもそも、あの場にいたのか?その人。』

いたのよ。それが。

幻でもなんでもなかったの。

3曲目が始まって、

もう一度ステージから客席を全て見渡して探してみたけど、いなかったの。

桜井さんはいて、満面の笑顔で頷いてくれていた。

だから。私は、本当に幻を見てしまって、

この想いを歌にのせて幻の彼に伝えたんだと思っていたの。

叶わない恋心だと分かっていながら。

でも。いたの。
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