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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第22章 coming to America
スーツケースを転がしてお兄ちゃんの車まで二人並んで歩く。

「俺、商談終わったら一旦帰るけど。また来るつもりだったし。

 沙織いるんなら、こっちで一緒に正月しよ。」

お兄ちゃんたちとお正月過ごせるなんて、何年ぶりかな。

日本じゃないから、THEお正月って感じではないけどね。

「向こういたらさ、梅乃さんが。」

あ、なるほど。

おばあ様ね。

私たちにおばあ様と言われるのを嫌がり、無理やり梅乃さんと呼ぶよう言われてる。

年寄扱いするな!おばあ様と呼ばれると一気に老け込む感じがして、イヤなのよ。と。

「やっぱ、お見合い写真山ほど揃えてる?」

苦い顔をして見せ高さを表すように両手でジェスチャーして見せる。

その様がおかしくって笑ってしまう。

お兄ちゃんの車にスーツケースを積み込み、私も乗り込む。

「ねぇ、お兄ちゃん。彼女はいないの?お正月こっちで過ごすっていうけど。」

車のエンジンをかけ、走り出す。

「いないね。」

「嘘。」

「も、面倒臭くなってきちゃってさ。すれ違いが元のケンカとか。」

「そうなの?」

「お前もさぁ、彼氏できたら間違っても言うなよ?

 仕事と私どっちが大事なの?とか!」

後ろの席からお兄ちゃんの顔を覗き込むようにして話をする。

「言われたんだ?」

「おう、幾度となくな。も。面倒臭くって!」

「お兄ちゃんが仕事にかまけてて、マメに連絡とかしなかったからじゃないの?」

ちょっと意地悪気味に言ってやる。

「んな訳ねぇって。俺ほど仕事こなしながら、マメにマメに連絡する男もいないぜ?」

学生時代からお兄ちゃんモテモテだったものね。

女の子みんなに優しかったし気配りも凄かったし。

子どもの私でもそう思ってたもん。

「女ってさ、どんどん欲張りになるもんなんだよね。

 今までマメにしてたことが当たり前になってきて。

 さらに上を求めるんだもん。」

それって、男の人にも当てはまるんじゃないの?って聞くと

「求めるやつもいるだろうけど。俺は今、仕事頑張りたいの。

 だから彼女は暫くはいらない。」

はい、俺の話は終わり!と打ち切られてしまった。

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