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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第22章 coming to America
「お帰りなさい!サオリ、ナオヒト!」

ルーカス夫妻が満面の笑みで私たちを出迎えてくれる。

ハグとキスを交わし、再会を喜び合う。

「お帰りなさい」そう言ってもらえるのって、本当に嬉しいものなのね。

リビングに通される。

「あ!ドーナッツ!」

アンリお手製ドーナッツがお皿に山盛りにされ、

テーブルにドンと真ん中に置かれてあった。

他にもいろいろアンリお手製のお料理はあるのだけど。

中でも、このドーナッツは大好きでよくねだって作ってもらっていたのだ。

覚えていてくれてたんだ。

「そうよ。サオリ、あなたが一番好きだったドーナッツ。たくさん作ったわ。」

嬉しくって。隣で私を見つめながら涙目でニコニコ微笑むアンリに抱きつく。

教授とお兄ちゃんはそんな私たちを見て、肩を竦め合いながら笑ってる。

「さぁ、とにかく座って?」

「腹がへったろ?たくさんおあがり。そして、たくさん話をきかせておくれ。」

楽しい時間だった。

久々のアンリお手製のお料理はどれも美味しくって。懐かしかった。

お腹いっぱいなはずなのに、ドーナッツもいくつも食べた。

その間、日本で体験したこと。驚いたこと、嬉しかったこと。

文化の違いがこんなにもあり戸惑ったこと。たくさん話をした。

そんな様子を、温かく見守りながら相槌うちながら。時には涙し、笑い。

会えなかった時間を埋めるかのように、話し合った。

「映画化をするという話は、ワシもレイから聞いた。」

教授がニコニコと笑い、その原作。

発刊が決まった時にメッセージを添えて贈った本を書斎から持って来て。

その装丁をゆっくり撫でている。

「日本語版を贈ったのか?」

お兄ちゃんが、気が利かないなぁってニュアンスでそう聞いてくる。

うん、やっぱり通訳の仕事をしていると、

その国の事を表現するにはその国のその時代のその地域の言葉じゃないと、

伝えきれないんだって痛感したから。

と答えるとルーカス教授が嬉しそうに笑い、私の頭を撫でてくれる。

昔のように。

「そう、そうじゃ。流石は我が愛弟子。」

「私は、弟子だなんて思いませんよ!カワイイ孫たちだと思ってますからね!」

教授に対抗するようにアンリがおどけていうのがおかしくってみんなで大笑いした。

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