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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第22章 coming to America
「本当の孫、キャシーもレイもなかなか戻ってこないし。」

と嘆き節まで炸裂しだした。

「キャシーとはこの間健康診断行った時に、お会いしました。」

「元気で頑張ってるなら、よかった。」

そう、“children”に身を置く以上、

そうそう実家等に顔を出せなくなっているのだ。

それを教授たちは、とても理解している。

しているからこそ、私たちをこんなに大事にもてなしてくれる。

レイは……と言いかけるアンリ。

ああ、お兄ちゃんいるけど、ま、いいか。

「レイは、今“children”休暇中です。私が休暇を出しました。」

え?と3人が驚いた眼差しで私を見る。

「な、なにか粗相があったの?」

いいえ、と首を振る。

「じゃあ、なんで。お前あんなにレイにベッタリだったくせ…..。」

と言いかけて、言葉を飲み込む。お兄ちゃん、何かを感じたのね。

「サオリ、説明しておくれ。」

うん、と頷き説明をするために、

乾ききった口内を潤すため飲みかけのレモネードを一口飲む。

今、レイは雅人さんという方の傍にいるの。

雅人さんはお仕事で、身体と心を凄く傷つけてしまって。

私がこっちに来る前は、点滴をしたまま目を覚ましていない状態だった。

朝倉医師の見立てでは、最低でも3か月時間が必要で。

今時点では完治するかどうかも分からない。

“children”の医療チームが総力あげてかかっているとだけ、聞いたの。

トップシークレットな話なんでしょうね。

でも、とても苦しい治療になって、雅人さんの心が壊れないように、

レイが傍にいる必要があるんだって。

まぁ!というアンリの目には涙が光ってる。

私ももうすぐ涙が零れてしまいそうだったけど、

きちんと説明し終わるまで、我慢、する!

雅人さんにもレイが必要で。

レイにも雅人さんが必要なんだったら。

私、今まで十数年間レイの人生を独占して来たんだもの。

休暇をど~んとあげなくっちゃと思って!

と早口でまくし立てるように言い切った。


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