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第22章 coming to America

……………ゴクリ。自分の唾を飲む音が物凄く大きく聞こえる。

沙織、兄ちゃん今、変なこと思い出しちゃったよ。

“遇见命中注定的人。”　運命の人と出会う。

飲茶店でのフォーチュンクッキーの占い。

あれ、運命の人。朝比奈氏なのか？

運命の人。響きはロマンチックなんだけどな。

本当は、違うんだ。アレ。

兄ちゃんの経験上、運命の相手って我を忘れて。

恋い焦がれて泣いて。

泣いて相手を乞い、追い求めるってことなんだよ。

ラブラブですぅ♡じゃあないんだよ。

それを証拠に。

朝比奈氏、お前を抱きしめていた手を離してから、

何も言えずに狼狽えてるじゃないか。

朝比奈氏にとってもお前は運命の人なのかもな。

運命の人。残酷な響きよ。

出来れば、兄としてはカワイイ妹の恋は成就してもらいたいが。

茨の道かもなぁ。この様子じゃ。

お前も朝比奈氏相手じゃ泣くぞぉ？

相手は地位も名誉もある大人。プライドもある。理性で動く男だ。

そうそう恋に溺れはしない。

お前の恋愛偏差値はほぼゼロ。

そんな男の気持ちなんか理解出来ずに苦しむ。


俺、兄としてどうすればいいんだ。